ウィジェット表示のイベント[widget_shown]は、リコメンデーション(LiftIgniterまたはその他のアルゴリズム)が表示された際に発生します。詳細はウィジェットイベントのドキュメントを参照してください。ここでは、データサイエンスと分析に興味のあるお客様向けに説明します。
1. イベント発生の条件
ウィジェット表示のイベントは、LiftIgniterまたはその他のシステムからのリコメンデーションが表示された際に発生します。ここで言う表示の定義は、Webページのレイアウトによって異なります。我々は、トラッキングウィジェットのロジックを実装することでこのイベントを受け取ることができます。この実装を行っていない場合は、このイベントを受け取ることができません。
一般的なWebページのHTMLのレイアウト(ページ表示やページの遅延読み込みを行っていない)では、ウィジェットはWebページの読み込みと同時に表示されます。この場合は、ページ閲覧ごとに、1つのウィジェットに対して1件の[widget_shown]のイベントを受け取ります。ページ表示されているレイアウト(スライドショーなど)または遅延読み込みを行ってリコメンデーションをスクロール表示している場合は、お客様側でリコメンデーションをいつ表示するか選択することができます。例えば、スライドショーのWebページを読み込むと同時にリコメンデーションの取得、表示、トラックを行うか、ユーザがスライドショーの再生を終了したときに一連のプロセスを行うこともできます。
[widget_shown]のイベントは、リコメンデーションウィジェットがユーザのviewport(可視領域)に入っていなくても発生させることができます。これと似たようなイベントとして、リコメンデーションウィジェットがユーザのviewport(可視領域)に入ったときに発生する、widget_visibleがあります。
2. widget_shownイベントのフィールド
widget_shownのイベントには、下記の特別なフィールドがあります。これらのフィールドはパフォーマンストラッキング、分析、機械学習において重要な役割を果たします。
- Visible items([visibleitems]、Javascriptでは[vi]): これは、ウィジェットの中で表示されたリコメンデーションアイテムのリストです。このVisible(可視)アイテムのリストは、機械学習のシステムが実際にどのアイテムがどれくらいの頻度で表示されているかをトラックし、アイテムのCTRを計算して、そのパフォーマンスを測定します。
- WWidget name([widgetName]、Javascriptでは[w]): これは、ウィジェットの名前です。例えば、[home-page-recommendations]と、[article-recommendations]などの異なる名前を使うことができます。
- Source([source]): これは、リコメンデーションを提供しているアルゴリズムの名前です。LiftIgniterのリコメンデーションでは[LI]を使い(Analyticsパネルでは、"LiftIgniter"として表示されます)、それ以外のリコメンデーションでは[base]を使います。これは、他の名前をここで使うこともできます。
原則として我々はLiftIgniterから提供するリコメンデーションの内容を把握していますが、実際にリコメンデーションとして何がVisible(可視)アイテムとして表示されたかを確認することはとても重要です。これを知ることで、我々がリコメンデーションを変えした後に、お客様が柔軟性を持ってリコメンデーションのフィルタや編集を行うことができるようになります。また、同じ機械学習のロジックを、LiftIgniter以外の異なるアルゴリズムにも適用することで、簡潔な組み込みを行うことができるようになります。
3. widget_shownイベントの値をA/Bテストで比較する

50/50の公正なA/Bテストを行っている間のウィジェット表示の値。トラフィックは日によって変化しますが、[widget_shown]イベントの値は、LiftIgniterと元のリコメンデーションのソースの間でほぼ同じ数値になります。
LiftIgniterのA/Bテストはユーザ単位で行います。よって、このテストを行っている間は、50%のユーザは常にLiftIgniterのリコメンデーションを見続け、残りの50%のユーザは常に元のリコメンデーションソースのリコメンデーションを見続けることになります。
これは、A/Bテストを開始した時点では、LiftIgniterと元のリコメンデーションでは、同じ[widget_shown]の値を持つことになり、アルゴリズムの違いによって、[widget_shown]の数値が直接または間接的な理由で変化していくことになります。
直接的な影響: CTRが高く(一般的には5%以上)、ユーザがクリックしたWebページに同じリコメンデーションをウィジェットを表示している場合、CTRが高い方のスライスで、より多く[widget_shown]のイベントが発生します。
間接的な影響(この影響が現れるまでに数週間を要することがあります): よりエンゲージのイベントが多いリコメンデーションが、ユーザが戻ってくる確率を高めます。そして、そのスライスで、より多く[widget_shown]のイベントが発生します。
言い換えると、50/50のA/Bテストで示された数値にわずかな統計的差異があり、これがCTRの差と同じ傾向にある場合は、この差異はバグではなく、直接的および間接的な影響の結果と考えられます。
4. 派生指標
派生指標 | 分子 | 分母 | LiftIgniterの対応 |
---|---|---|---|
Click-Through Rate (CTR) | Widget Click | Widget Shown | 対応(ウィジェットのトラッキングの実装が必要です) |
Engaged Click-Through Rate (ECTR) | Engaged Click | Widget Shown | 対応(ウィジェットのトラッキングの実装とエンゲージのイベントの定義が必要です) |
Visibility | Widget Visible | Widget Shown | 対応(ウィジェットのトラッキングの実装が必要です) |
Conversion-to-Shown Ratio | Conversion (through click) | Widget Shown | 対応(ウィジェットのトラッキングとコンバージョンのトラッキングの実装が必要です) |